ヨガる。

『 No meditaion No life 』   抵抗せずに、判断せずに、執着せずに・・・調和する 

【読書】持っていれば便利。ただ、どっちつかず。時には、やっかい・・・『絶対音感』

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どふぁら~ おっさんの手でごめんね。

 

 

絶対欲しい、絶対音感

「持っていれば便利。ただ、どっちつかず。時には、やっかい」は著書内にあるオリバー・サックスの言葉を引用。

  

 

絶対音感」とは、音を聞いただけで、他の音と比べなくても音名(ドとかミとかソなど)が分かること。

 

よく「『絶対音感』は幼少期にしか獲得できない」と耳にします。子どもを音楽家にしたい親にとっては「絶対に欲しい…」「早期教育が必要」と思わずにはいられないイメージの強い能力。

 

音楽を生業ともしていない私でさえ「持っていれば…カッコいいさぁ 絶対音感」と思わずにはいられない。

 

そんな人々(俺だけ?)を魅了する「絶対音感」にについての本(ノンフィクション)があったので手に取ってみました。

 

 

 

ところで、持っている人に聞いてみた「絶対音感

まずプロローグ。

私達が日常持っている「絶対音感=必需品」へのイメージを、色んな音楽家たちへのインタビューで始まります。

 

 

絶対音感があると、鳴っている音が全部すぐにわかります。(中略)楽譜も書けます。ない人に比べるとその作業が非常に速い。でも、何かやりながら音楽を聴くことができないんですね。

 

レコードの回転数が狂っていると、もうお腹がよじれそうになります。

 

そんなものを持っていたら逆に不便だと思いますね。これは何ヘルツで何の音だと全部わかるということは、情報量が多すぎるのではないでしょうか。

   本著:「絶対音感」より抜粋

 

この様に「えっ絶対音感って万能じゃないの?」と私達が想像しえなかった「絶対音感君」の頑固な一面が披露されます。

 

ある女性(ずーっと音楽をやってきた)は、絶対音感を持つおかげでドレミ」にしばられ続け初めて音楽に感動したのは、娘を身ごもった時に聞いたクラシックだったそうです、その時32歳。

 

 

中盤以降の本の展開

そこから、

日本(人)の絶対音感への取り組み、

幼児からの音感教育の歴史、

絶対音感脳科学(音感の記憶)、

共感覚(音を色で見る)、

絶対音感スクール、

440~442ヘルツの違い、

音階・音律、

最後は「五島節とみどり、龍」親子の話となっていきます。

 

後半に行くにつれて、音と音楽家たちの関係科学的(理系)の話になる。

 

実際に音楽をやっている人には「わかる~」と思えるような密な内容だと思います。

私は着いていけなかったので、飛ばし読み。お腹がいっぱいになった。

 

 

私には、科学的な話よりもバイオリニストの五島みどりと母(節)の話が面白かった。

 

バイオリン(ピアノ)の音色で人種・性別が分かる」

「音でどのオーケストラかも分かるし、男性が多いオーケストラは音が丸い」

「男の人のの方が音が丸く、女性はファイアーがある」

 

常人にはわからない、音楽家たちの見えている(聴こえている)風景を知ることが面白く感じました。

 

 

 

少し話はそれて「相対音感」の話

絶対音感の反対語ではないのですが、「相対音感」という言葉もあります。

 

基準となる音(純音および楽音)との相対的な音程によって音の高さを識別する能力である。音楽を美しいと感じるには、相対音感が必要であるから、ほとんどすべての人が本質的に持っている能力と言える。

 

「ある音の高さを基準に、他の音の高さを判別する能力」と説明されることも多い。

   相対音感 - Wikipedia より

  

 

本の中で色々な話を読むほどに「絶対音感を持つ人」って、言葉を文脈でとらえることが苦手な人の、音(耳)バージョンのような雰囲気を感じました。

例えばこんな会話。

 

父親が割れた窓ガラスを指さして…

父「なんだこれは!」

子「割れた 窓ガラスです」

父「そうか!これが割れた窓ガラスか。こう尖ってて、粉々になって、珍しいから額にでも入れて飾って…ってちゃうやろー!!」この様に「のり突っ込み」にはなりません

 

もしかしたら父親は前後の状況からこんなことが聞きたかったのかもしれません。

 

(お前がやったのか?) 解答→ 「ごめんなさい」「ぼくじゃない」

(だれが割ったんだ!)   → 「弟が」「ぼくも今気がついた」

(なんでまだ片付けていないんだ?) → 「忘れていた」「すぐやります」

 

 

「割れた 窓ガラスです」って間違えていないし、時には客観的に状況を説明する能力が必要なことって多々あります。

しかし文脈から、会話の内容を捉えることも同じ様に大切。

 

絶対音感」は教育で得ることができる。なので、そのイメージを盲信せずに「絶対音階」について理解してから、音楽教育について考えるのも大切だと思いました。

 

※子どもの「英才教育」や「早期教育」の学習方法でも色々な意見がある様に、音楽教育も一辺倒じゃないことを学びました。

 

 

まとめ

絶対音感」を軸に、緻密な理系な考察や、たくさんの登場人物(インタビュー)をとおして、音楽家(主にクラシック)の人たちの生き様を浮かび上がらせるノンフィクションでした。

 

音楽をやっている人、好きな人は是非読んでもらいたい。

もちろん、子さんに「音楽を学ばせたい」保護者にもおすすめ。「音感教育」について多くのページで語られています。

 

 

でも、やっぱり最後は オリバー・サックスの言葉が心に残った本でした。

 

「持っていれば便利。ただ、どっちつかず。時には、やっかい」 

 

 

 

オマケのはなし(プロローグより)

 

本書から抜粋

子どもの頃、指の形を矯正するために鍵盤に剃刀をたててピアノの練習をしていたというミュージシャンの矢野顕子は…

こわいね。実際どうやるのか興味が湧いて「鍵盤に剃刀をたてる」と画像検索をしたど出てきませんでした。

 

 

 それと、絶対音感」で動画検索をすると、色々と面白いものが出てきます。

 

中でも絶対音感の日常」とか絶対音感テスト」がおすすめ。

※リンクしていいのかわからないので紹介だけ。

「~テスト」は娘にテストをさせたら2/3正解。私がやってみると全然分かりませんでした。