ヨガる。

『 No meditaion No life 』   抵抗せずに、判断せずに、執着せずに・・・調和する 

【映画】「恋した相手が次々と殺される?!ヘンテコ昭和歌謡がクセになる、奇妙でポップなジャポネスク・ファンタジー」 ハンガリー映画

この前、変な映画を観ました。

「リザとキツネと恋する死者たち」

2014年製作 ハンガリー映画

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公式ホームページからのサブタイトル。 

「恋した相手が次々と殺される?!ヘンテコ昭和歌謡がクセになる、

奇妙でポップなジャポネスク・ファンタジー」

 

ちなみに、ハンガリーの場所。

 

 

 

これは、私が初めて見たハンガリー映画。

 

日本の「九尾の狐伝説」がモチーフで、

コミカルなストーリーですが

人がバンバン死んでいく(一応ミステリー仕立て)。

 

個人的な感想としては、

〇「グランドブタペストホテル」感40%

 ウェスアンダーソン感

〇「アメリ」感40%

 主人公の妄想感(ピュア、可愛い感)・ポップ感

キルビル的な日本感 13%

 過剰なジャポネスク感

ブレードランナー的日本感 6%

 西洋から見た日本の独自性・異質感

〇ベストキッドの宮城さん的日本(沖縄?)感1%

 小道具感(宮城さんの盆栽・ハチマキ = 本映画の壁に掛った絵・日の丸のせんす)

 

 

圧巻なのが「ヘンテコ歌謡曲」!

 

最初の登場から「?」と少し度胆を抜かれますが、

劇中、何度も何度も流れるうちに、

最後には大好きになってしまいます。

ハモンドオルガン?やモズライト(エレキ)の乾いた音が

時代を彷彿させます。

 

www.youtube.com

 

観覧直後から

ボーナスのビデオクリップを見まくりです。

今でも頭の中で曲がループします。

 

幽霊の歌手「トニー谷」役は、

「櫻井デヴィッド」さん。

 

日本人とデンマーク人のハーフですが、

この映画では100%日本人に見えます。

ただし、日本語はへたくそ。

日本人の未亡人役のおばさんの方が、台詞だけど日本語の発音上手。

 

しかし、彼の歌は結構上手。

 

しかし、なんていうんだろう・・・

普通に発音は上手なのですが、少しだけ違和感(そこが魅力)。

例えるなら、ケインコスギの話し方、マルシアの敬語の使い方

日系二世独自の日本語発音が超味わい深い。

 

ダンダンス☆ハバグッドタイム」と、

無理やり日本語英語で発音している感が伝わって、

独特感をさらに加速させている。

もう最高 超いい感じ。

 

それと、プレスリーのマネをしたダンスも良い。

曲が曲だけに(ヘンテコ昭和歌謡)、

特典映像で知るまでプレスリー感はなく、

これもまた、レトロ感(独特感)に拍車をかけてくれる。

 

このヘンテコ昭和歌謡曲は、

ハンガリー人の監督と音楽担当者が

ハンガリーで作詞作曲したそう!!

歌詞はハンガリー在住の日本人に書いてもらったそうです。

 

日本人も参加したと思っていましたが、

そのクオリティーの高さには驚き。 ガチですごい。

 

主人公の女性が歌う哀愁だだよう歌も、

ジブリの最後に流れてきても違和感なし。

www.youtube.com

 泣けてくるゼ

 

 

監督の「カーロイ・ウッイ・メーサーロシュ」さんは

日本が大好きらしく、60年代の日本の曲のコレクションがある。

なんてコアな…

 

このように、

日本好きな外国の人の目線やアイディアを通して

自分たちを(日本)を見返すことで、

そのユニークさや素晴らしさを知ることができる。

 

なんか日本が褒められているようで、

自然と誇りをもてる(持たせてもらっている)。

 

そして何より、

この監督の日本に対する愛は単純にうれしい(ありがとう)。

僕も「ハンガリーってどんな国だろう」と興味が湧いてきた。いい感じ。

 

内閣府のクールジャパン事務局は

この映画と、タランティーノ ブレードランナー

すぐに、クールジャパン登録してもらいたい。

クールジャパン外国部門賞!

 

 

この映画のガチだけど、(ガチだからこそ)

外れてしまった感(奇妙・珍妙)感がたまらない。

もちろんネタの部分はあると思うけど。

 

みうらじゅんさんの「ゆるキャラ」も、

最初は、地方などの行政やら団体が

本気でかっこいい(可愛い)と思って作ったキャラクターが、

実は外れている感が面白くて「ゆるキャラ」として取り上げていたけど、

そのギャップが面白いんだよね。

最近では「最初からゆるくデザイン」されており、

「ゆるきゃら」が、ただの「ゆるく作ったきゃら」になっている。

ギャップがなくなり、深み(おもしろさ)がなくなっちゃった。

 

映画内の

漢字の書体(死者)とか、

着物に顏白塗り(芸者さんだけやで白くするの)とか、

短刀みたいな包丁など、

変な日本が出てきますが、

そこはギャグ(ネタ)として(私)は受け取ったし、

それがジャポネスク。

全編に渡って監督の日本愛、

役者の人たちの本気さが伝わってきました。

トニー谷のポスターの文字改行も変でした。こんな感じ

ニー

 

その意味では、この映画は本当の意味での

「ゆる映画」だと私は思う。

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最後にハンガリーの一特徴について、

 

〇「国土が平野であるため、昔から侵略が多く色んな民族がすんで来た国」

〇「内陸国なので海がない」

 

なにか気が付きませんか?

 

 

 

 

そう、日本とはほぼ真逆な環境。

 

そんな国同士の文化が混ざり合って出来たのがこの映画と考えると、

感慨もひとしおながら、最後にCGで富士山らしきものが

映っているにも関わらず、全然日本に見えないのも理解できます。

笑えます「看板に那須って書いてあるのに、日本感0%」

 

私にとっては100点!の、好みにぴったりの映画でした。

 

 

 

余談ですが、ハンガリー語でも

バカのことを「idiot」

親密さ「intimate」

と言うみたいですね(全くそのままではないけれど)

 

 

今日も訪問ありがとうございました。